非結核性抗酸菌症(NTM症)について
1. 非結核性抗酸菌症(NTM症)とは?
非結核性抗酸菌症(NTM症:Non-Tuberculous Mycobacteriosis)とは、土や水などの環境中に広く存在する「非結核性抗酸菌」という細菌が肺に感染して起こる呼吸器の病気です。
抗酸菌の仲間には「結核菌」も含まれますが、NTM症は結核とは全く異なる病気です。
結核との大きな違い
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人から人へ感染しません(学校や職場、ご家庭で隔離や感染対策を行う必要はありません)。
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病状の進行は非常に緩やか(数年〜数十年単位)であることが一般的です。
2. なぜ今、注目・話題になっているのか?
近年、日本国内でNTM症の患者数が急速に増加しており、メディア等でも取り上げられる機会が増えています。
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痩せ型の中高年女性に急増している かつては肺に持病がある方に多い病気とされていましたが、近年は持病がなく、痩せ型の中高年女性(50代以上)の発症が急増しています。
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住環境やライフスタイルの変化 ガーデニングや畑仕事(土との接触)、浴室のシャワーヘッドや加湿器など、日常生活の水・土まわりから菌を吸い込む機会が増えたことが一因と考えられています。
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検診・CT技術の普及 健診の胸部X線検査や肺CT検査が普及したことで、無症状のうちに早期発見されるケースが増えています。
3. 主な症状
初期はほとんど無症状であることが多く、健康診断のレントゲン検査で偶然発見されるケースが少なくありません。進行すると以下のような症状があらわれます。
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長引く咳(せき)や痰(たん)
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微熱、全身の倦怠感(だるさ)
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体重減少、朝方の汗(盗汗)
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血痰(痰に血が混じる)、血を吐く(重症化した場合)
注意:「2〜3週間以上咳や痰が続いている」「風邪薬を飲んでも改善しない」といった場合は、自己判断せず早めの受診をおすすめします。
4. 検査と診断方法
当院では、以下の検査を組み合わせて診断を行います。
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胸部レントゲン検査・肺CT検査:肺の影や病変の広がりを確認します。
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痰の検査(細菌検査):痰の中にNTM菌が存在するか調べる最も重要な検査です(複数回の検査を行う場合があります)。
5. 治療と経過観察について
NTM症の治療は、一般的な細菌感染症とは異なり、「診断されたらすぐに服薬を開始する」とは限りません。
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経過観察 進行が非常に緩やかなため、症状が軽く画像変化が少ない場合は、定期的な検査(画像・痰の検査)を行いながら慎重に経過観察を行います。
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薬物療法(抗菌薬の服用) 病状の進行が認められる場合や、症状・画像所見が強い場合は、数種類の抗生剤(抗菌薬)を組み合わせて1年以上にわたり長期間服用します。
6. 日常生活で気をつけること(予防・対策)
NTM菌は環境中の身近な場所に存在するため完全な予防は難しいですが、以下の点に気を付けることで菌の吸入リスクを減らすことができます。
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ガーデニング・土いじり:マスクを着用し、作業後は手洗いを徹底しましょう。
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水まわりの清掃:浴室のシャワーヘッドや加湿器、ヌメリが発生しやすい場所は定期的に清掃・乾燥させましょう。
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十分な栄養と休息:免疫力を維持するため、バランスの良い食事と十分な睡眠を心がけましょう。
ご心配な方はご相談ください
「健診のレントゲンで再検査と言われた」「長引く咳や血痰が気になる」という方は、お気軽にご相談ください。お一人おひとりの病状に応じた適切な検査と丁寧な治療・経過観察を行ってまいります。

