おたふくかぜ(ムンプス)ワクチンは受けた方がいい?【世田谷区の助成事業について】
「おたふくかぜワクチンは定期接種ではなく、費用助成の任意接種だけど受けた方がいいの?」というご質問を保護者の方からときどきいただきます。
結論から申し上げますと、当院ではおたふくかぜワクチンの接種(計2回)を強くおすすめしています。
その理由と、世田谷区の助成制度について詳しくご案内いたします。
1. なぜ「任意接種」でも受けた方が良いの?
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は、かかっても「耳の下が腫れて数日で治る病気」と思われがちですが、実は重大な合併症を引き起こす可能性のある病気です。
① 回復不能な「難聴(ムンプス難聴)」のリスク
おたふくかぜに感染すると、数千人に1人(約1,000人〜2,000人に1人)の割合で急性難聴(むんぷすなんちょう)を発症します。 多くは片方の耳で起こりますが、一度失われた聴力は現代の医療でも治すことができません。
② その他の重い合併症
無菌性髄膜炎:高熱や激しい頭痛、嘔吐を伴い、入院が必要になるケースがあります(約50人に1人)。
睾丸炎・卵巣炎:思春期以降の感染で頻度が高くなり、強い痛みを伴います。
ワクチンを接種しておくことで、これらの重症化や後遺症リスクを大幅に減らすことができます。
2. ワクチンは2回接種が必要です
おたふくかぜワクチンは「計2回」の接種が推奨されています。
1回目:1歳になったら(水痘やMRワクチンと同時接種が可能です)
2回目:小学校入学前(年長さんの1年間)
1回の接種でもある程度の免疫はつきますが、2回目を接種することで確実な免疫を長期間獲得できます。
3. 世田谷区のおたふくかぜ任意予防接種費用助成制度
世田谷区では、定期接種(無料)ではないものの、接種費用の一部を区が負担してくれる「任意予防接種費用助成」が行われています。
対象者:世田谷区に住民登録があり、対象年齢内のお子様
1回目:生後12ヶ月(1歳)〜2歳未満
2回目:小学校就学前の1年間(5歳以上7歳未満で、いわゆる年長さんの学年)
助成額:1回につき 4,000円(自己負担額は当院の規定料金から助成額を差し引いた金額、当院では2500円となります)
持ち物:おたふくかぜ予診票(助成用、クリニック受付にあります)、母子健康手帳、健康保険証
当院からのメッセージ
世界的には多くの国でおたふくかぜワクチンが定期接種化されています。日本でも定期接種化に向けた議論が続いていますが、現時点では任意接種の扱いです。
しかし、「難聴などの後遺症から大切なお子様を守る」という観点からは非常に重要なワクチンです。助成制度をうまく活用し、ぜひ対象時期での接種をご検討ください。
ご不安な点やスケジュールについてのご相談は、いつでも当院スタッフ・医師までお気軽におたずねください。


