もうお済みですか?子どものHPV(ヒトパピローマ)ワクチン

HPV(ヒトパピローマ)ワクチンは、接種対象者は基本的に公費(無料)です。
期限が来年3月31日までの方はそろそろ1回目接種が必要です。

1. 接種対象者

①定期接種対象者(女子:小学6年〜高校1年相当)

現在、通常の定期接種対象となっているお子さま(女子)の費用助成(全額公費負担)です。

  • 期限: 高校1年生相当の年度末(3月31日)まで

  • 詳細: 高校1年生の3月31日を過ぎると有料(自費:全3回で約8万〜10万円)になります。
    3回の接種を完了するまでに約6か月かかるため、高校1年生の9月頃までに1回目を開始するのが望ましいです。

②世田谷区の男性接種助成(男子:小学6年〜高校1年相当)

世田谷区で実施されている男子対象の費用助成(全額公費負担)です。

  • 期限: 高校1年生相当の年度末(3月31日)まで

  • 詳細: 女子の定期接種と同様、高校1年生の3月31日を超えると助成対象外となります。

  • なぜ男子も接種を強く勧められているかについては、後でご説明します。
  • 接種をご希望の方はクリニックにお問い合わせください。
    問診票は受けつけ窓口にあります。
    区への連絡は不要です。
    HPVワクチン男性接種費用助成(任意接種)

2. HPV(ヒトパピローマウィルス)とは

HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染率は非常に高く、「ごくありふれたウイルス」と言われています。

具体的な感染率の目安は以下の通りです。

①女性の生涯感染率

  • 性交経験のある女性の50%〜80%以上(84.6%)が、生涯で一度はHPVに感染すると推計されています。

  • 女性の80%以上が感染を経験するという米国の研究データもあり、特別な人だけが感染するウイルスではありません。

②男性の生涯感染率

  • 「女性の病気」と思われがちですが、ある研究データでは男性の生涯感染率は90%以上(91.3%)にのぼるとされており、実は男性のほうが感染する確率が高いという報告もあります。

  • しかし、男性は感染しても無症状で終わることが多いため、感染に気づかないケースがほとんどです。

③感染した後の経過

HPVに感染すること自体は異常なことではなく、感染した人の約90%は、自分の免疫力によって2年以内にウイルスが自然に体外へ排除されます。

しかし、残りの約10%でウイルスが長く居座る「持続感染」となり、数年から十数年かけて以下のような病気に進行するリスクがあります。

  • 女性: 子宮頸がん、膣がん、外陰がんなど(※子宮頸がんの95%以上はHPV感染が原因です)ん

  • 男性: 肛門がん、陰茎がんなど

  • 男女共通: 中咽頭がん(喉のがん)、肛門がん、尖圭コンジローマ(性器のイボ)

このように、「感染率自体は非常に高いが、多くの場合は自然に治り、一部ががんなどの病気に進行する」というのがHPVの特徴です。だからこそ、感染自体を未然に防ぐワクチンの接種が重要視されています。

3.HPV(ヒトパピローマウィルス)ワクチン

①接種スケジュール

シルガード9(9価HPVワクチン)の接種スケジュールは、「1回目の接種を受ける時の年齢(15歳未満か、15歳以上か)」によって完了までの回数(2回または3回)が異なります。

●15歳未満で1回目を始める場合【計2回】

9歳以上〜15歳未満(15歳の誕生日の前日まで)で1回目の接種を受ける場合は、合計2回で完了します。

標準的なタイミング 許容される最短の間隔
1回目
2回目 1回目から6か月後 1回目から少なくとも5か月以上あける

※1回目と2回目の間隔が5か月未満になってしまった場合は、3回目の接種が必要となります。

●15歳以上で1回目を始める場合【計3回】

15歳になってから1回目の接種を受ける場合(高校生・キャッチアップ対象者・大人など)は、合計3回の接種が必要です。

接種回数 標準的なタイミング 許容される最短の間隔
1回目 当日
2回目 1回目から2か月後 1回目から少なくとも1か月以上あける
3回目

1回目から6か月後

 

(2回目から4か月後)

2回目から少なくとも3か月以上あける
  • ※標準的なスケジュール(1回目→2か月後→6か月後)で受けられない場合でも、最短で「約5か月間」あれば全3回の接種を完了させることが可能です。

②ワクチンの有効性

子宮頸がんの原因の「88.2%」を防ぐ

HPV(ヒトパピローマウイルス)には多くの型がありますが、子宮頸がんの原因となるハイリスク型HPVのうち、主要な7つの型(16, 18, 31, 33, 45, 52, 58型)の感染を防ぐことができます。

  • 従来のガーダシル(4価): 子宮頸がんの原因の約60〜70%をカバー

  • シルガード9(9価): 子宮頸がんの原因の約90%をカバー

尖圭コンジローマなどの病気も「約90%」予防

がんの原因となる型に加え、性器周辺にイボができる性感染症「尖圭コンジローマ」の主な原因となる「6型」「11型」もカバーしています。これにより、尖圭コンジローマの発症を95%予防します。

また、男性にとっても中咽頭がん(喉のがん)、肛門がん、陰茎がんなどの原因となる型をしっかりカバーできます。

③ワクチンの安全性

  • よくある症状(数日でおさまる軽度のもの)

    • 腕の痛み・腫れ(8〜9割): 筋肉注射のため、他の予防接種より痛みや腫れが出やすいです。

    • 全身の症状(5〜10%): 軽めの発熱、頭痛、だるさなど。

  • ごく稀に起こる注意すべき症状

    • 立ちくらみ・倒れる(血管迷走神経反射): 注射の痛みや緊張・不安で血圧が下がることがあります。

      • 対策: 接種後15〜30分は院内で座るか横になって安静にします。

    • アレルギー反応(アナフィラキシー): 非常に稀ですが、息苦しさやじんましんが出ることがあります。

  • 国内外の安全性評価について

    • 過去に話題となった慢性的な痛み等の症状は、国内外の広範な調査で「ワクチンとの因果関係は見られない」と結論づけられています。

    • 世界中で高い安全性とがん予防効果が認められ、公費(無料)接種が実施されています。

はじめてのHPVワクチン(東京都)

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