舌下免疫療法(SLIT)のご案内
舌下免疫療法(SLIT)は、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少量ずつ取り入れることで体質を根本から改善し、つらい症状を大幅に和らげる治療法です。
当院では現在、スギ(約60名)・ダニ(約25名)の患者様が治療を継続されています(2026年8月1日現在)。
💡 治療の大きな特徴
- 80%以上の方が効果を実感:「症状が出なくなった(20%)」「かなり軽くなった(60%)」と高い効果が報告されています。
- 効果が長持ち:3〜5年治療を続けることで、終了後も効果が持続します。
- ご自宅で服用可能:従来の注射療法と違い、痛みがなく自宅で安全に続けられます。
📅 治療開始のタイミング
- スギ花粉:5月下旬〜11月(花粉飛散期[1月〜5月上旬]は開始不可)
- ダニ(ハウスダスト):一年中いつでも可能
※開始前に必ずアレルギー検査を行います。
※スギとダニの併用希望の場合、同時の開始はできません。医師と相談の上、どちらかを優先します。
💰 費用の目安(3割負担の場合)
※診察料、処方箋料、調剤料、薬代をすべて合わせた「1回あたりの合計目安」です。
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費用目安:約2,000円 〜 6,000円前後
- 初回診察・血液検査: 約 3,000円 〜 6,000円(アレルギーの原因を特定するための抗体検査を含む)
- 初回投与・処方代: 約 2,000円(院内での初回服用と17日分の薬代)
- 以降月1回の診察代・処方代:約 700円 + 薬局での薬代(シダキュア約 1,200円 〜 1,600円前後、ミティキュア / アシテア約約 1,800円 〜 2,300円前後)
※過去1年以内に別のクリニック等でアレルギーの血液検査を受けており、その結果用紙を持参できる場合は、検査費用を浮かせられることがあります。
※高校3年生以下の方は「小児医療費助成制度」により実質無料となります(世田谷区など)。
⚠️ ご注意いただくこと・治療の流れ
1. 治療を受けられない方(対象外)
- 6歳未満の方
- 気管支ぜんそく、うつ病、悪性腫瘍(がん)、自己免疫疾患のある方
- 妊娠中・授乳中の方(治療中に妊娠した場合は中断となります)
- ステロイド剤の内服・または皮膚の広範囲に塗布されている方
2. 初回受診時の注意点
- 安全確認のため、初回の服用は院内で行い、30分間の経過観察を行います。
- 説明等含め1時間ほどかかりますので、午前・午後ともに閉院間際を避け、余裕をもってご来院ください。
3. 日々の服用と副作用について
- 1日1回、錠剤を舌の下に置いたまま1分間保持し、飲み込みます(その後5分間は飲食禁止)。
- 服用前後2時間は、激しい運動・入浴・飲酒をお控えください。
- 主な副作用として「口やのどの痒み・腫れ感」が出ることがありますが、多くは服用後数十分で治まり、1ヶ月ほどで気にならなくなります。
- 万が一に備え、慣れるまでは午前中の服用をおすすめしています。
💡 スギ花粉舌下免疫療法(6歳以上)👨⚕️
スギ花粉飛散期に治療開始することはできないため、花粉飛散期となる1月~5月上旬の期間は治療開始できません。
また、効果が現れるのに最低3カ月はかかりますので、5月下旬から11月の間に開始することをお勧めします。
錠剤(シダキュア)を舌の下に置き(錠剤はすぐに唾液で溶けて数秒でなくなります)、1分間そのままの状態を維持した後に飲み込みます(その後5分間は飲食しない)。これを1日1回、3年間〜5年間できるだけ毎日(週5日以上が目標)続けます。
第1回目の服用は院内で、翌日から自宅で毎日行います。
錠剤は2,000 JAUと5,000 JAUの2種類あり、最初の1週間は「増量期」として少量の錠剤(2,000 JAU)を1日1錠服用し、「維持期」となる2週目以降は5,000 JAUの錠剤を1日1錠服用します。
※服用前後2時間は、激しい運動、入浴、アルコール摂取を控える必要があります。
💡 ダニ舌下免疫療法(6歳以上)
ミティキュア(鳥居薬品)とアシテア(塩野義製薬)の2種類があります。どちらもヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニを50%ずつ含みますが、大きな違いは1錠に含まれるダニエキスの量です。アシテアにはミティキュアよりも約5.7倍多くダニエキスが含まれます。
この2つの治療薬を直接比較した検討はないため、どちらが良いかについてはまだ明かではありません。副反応(副作用)についても、まだ違いがはっきりしていません。
🧑⚕️ミティキュア
ミティキュアを舌の下に置き(錠剤はすぐに唾液で溶けて数秒でなくなります)、1分間そのままの状態を維持した後に飲み込みます(その後5分間は飲食しない)。
これを最初の1週間は3,300JAU錠を、2週目からは10,000JAU錠を毎日舌下投与します。1回目の舌下投与は医療機関で行いますが、以降は毎日自宅で行います。
※服用前後2時間は、激しい運動、入浴、アルコール摂取を控える必要があります。
鼻炎の症状にかかわらずできるだけ毎日3〜5年間行います。

👩⚕️アシテア
アシテアの場合、最初の3日間は「増量期」といわれ、少しずつ用量を増やしていき、4日目以降は「維持量」で継続します。副作用などにより増量器を長くとることがあります。
●副作用
従来の皮下注射法と比較して、副作用の頻度や程度がかなり軽く、自宅で安全に行うことができる治療となっていますが、全身副作用であるアナフィラキシーが起こる可能性がゼロではありませんので、体調の悪い日は避け、服用前後2時間の激しい運動、入浴、アルコール摂取を控え、量を間違えずにスケジュール通りにきちんと行う必要があります。
多い副作用は、口の中やのどの腫れた感じ、かゆみ、涙目や鼻汁など、花粉症初期のような軽い症状、吐き気、頭痛などです。
多くは服用後30分以内に起こり、数10分で自然に治まります。また1ヶ月くらい経過すると気にならなくなることが多いといわれています。
ダニ舌下錠では、スギ花粉舌下液よりも副作用の頻度が高く報告されており、より注意が必要です。
心配なことがあった場合は、医療機関へ連絡しましょう。
生活スタイルにもよりますが、副作用のことを考え、何かあった場合に病院へ連絡、受診がしやすいように、慣れるまでは午前中に服用することをお薦めします。
