ウエルシュ菌による集団食中毒
広島県福山市保健所は16日、市内の宿泊施設でウエルシュ菌による集団食中毒が発生したと発表しました。患者は97人に上りますが、いずれも軽症で快方に向かっているということです。
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宿泊施設で97人に腹痛や下痢などの症状 ウエルシュ菌による集団食中毒と断定 食事を提供した飲食店業者に営業禁止処分 広島・福山市 |
今回話題となっているウエルシュ菌とは、いったいどのような細菌でしょうか?
ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)は、人間や動物の腸内、あるいは土壌や下水など自然界に広く生息している細菌です。
学術的には顕微鏡で見ると棒状の形をした「かん菌」に分類され、酸素を嫌う「通性嫌気性(つうせいけんきせい)」という性質を持っています。
日常生活においては、主に「集団食中毒を引き起こす原因菌」として非常によく知られています。
1. なぜ食中毒が起きる?
ウェルシュ菌は、環境が悪くなると「芽胞(がほう)」という非常に硬い殻のようなものを作って休眠状態に入ります。
- 熱に異常に強い: 芽胞の状態になると、100℃で1〜6時間加熱しても死滅しません。
- 大量調理が危ない: カレー、シチュー、スープ、麺類のつゆなどを大鍋で大量に作り、そのまま常温で放置したときに最も繁殖しやすくなります。
- 酸素がない場所を好む: 鍋の底などの「空気(酸素)が届かない場所」が大好物です。加熱によって周りの酸素が追い出され、ゆっくり冷めていく大鍋の底は、ウェルシュ菌にとって最高の繁殖シェルターになります。
そのため、別名「給食病」や「居酒屋病」とも呼ばれます。
2. 食中毒の症状
菌が大量に増殖した食品を食べると、腸の中で菌がさらに増える際に「エンテロトキシン」という毒素を放出します。
- 主な症状: 激しい腹痛、下痢(※嘔吐や発熱は比較的少ないです)
- 潜伏期間: 食後約6〜18時間(平均10時間前後)で発症します。
- 経過: 多くの場合は軽症で、1〜2日以内に自然に回復することがほとんどです。
3. 家庭での予防対策
加熱しても死なないため、「食べる前に温め直せば大丈夫」という油断が通用しないのが厄介なところです。以下のポイントを意識すると安全です。
①調理後はすぐに食べる
作った料理は放置せず、温かいうちにできるだけ早く食べきるのが一番の安全策です。
②急速に冷却して冷蔵保存
どうしても残った場合は、大鍋のまま放置してはいけません。底の浅い容器に小分けにして表面積を増やし、氷水などで一気に冷ましてから冷蔵庫(または冷凍庫)に入れます。
③混ぜながら全体をしっかり再加熱
温め直すときは、鍋の底に空気を送り込むようによくかき混ぜながら、全体をブツブツと沸騰するまでしっかり加熱してください(残った菌の活動を抑えるため)。

