熱中症で白内障リスク2倍=30代は3倍、240万人解析―名工大など

本日19日(火)も広い範囲で晴れて、関東から東北を中心に季節外れの暑さが続きます。熱中症に注意が必要です。

近年、大規模なデータ解析や研究によって、「熱中症の経験がある人は、そうでない人に比べて白内障の発症リスクが約2倍高くなる」という深い関係性が明らかになっています。

名古屋工業大学と金沢医科大学などの研究チームが全国約246万人分の診療データを分析した結果(2026年発表)、熱中症の既往歴がある人は白内障全体の発症リスクが1.96倍高いことが示されました。

熱中症で白内障リスク2倍=30代は3倍、240万人解析―名工大など
時事メディカル2026/05/13 

名古屋工業大と金沢医科大の研究チームは13日、熱中症になった人は、その後白内障の発症リスクが約2倍高くなるとする研究結果を発表した。全国約246万人分の診療データを分析したもので、30代はリスクが約3倍に上った。チームは「熱中症対策は、将来的な目の健康維持にも関わる可能性がある」としている。

1.なぜ熱中症で白内障リスクが上がるのか?
目のレンズの役割を果たしている「水晶体」は、主にクリスタリンというタンパク質と水でできています。 熱中症によって体温が急激に上昇すると、目のなかの温度も一緒に上がってしまいます。タンパク質は熱に弱いため、「生卵に熱を加えると白く固まる(ゆで卵になる)」のと同じような現象が目のレンズ内で起こり、濁り(白内障)につながるのではないかと指摘されています。

2. 「紫外線」と「高温環境」のダブルパンチ
熱中症のリスクが高い炎天下や屋外労働の環境は、同時に強い紫外線を浴びる環境でもあります。 これまでの研究では、白内障(特にレンズの中心が濁る核白内障)のリスク因子のうち、約半分(52%)が水晶体への熱負荷、約3割(31%)が紫外線によるものというデータもあります。「暑さ」と「強い日差し」が重なることで、目へのダメージが急速に蓄積されます。

3. 注目すべき特徴
若い世代や糖尿病のない人でもリスクが高い
一般的に白内障は高齢者に多い病気ですが、この研究では30代の若年層(リスク約2.99倍)や、糖尿病などの持病がない人(リスク約2.44倍)で、熱中症既往との関連性が特に強くみられました。若いからといって油断はできません。

初期症状は「老眼」に似ている
熱や紫外線が影響しやすいタイプの白内障(核白内障)は、初期段階で手元が見えにくくなるなど、老眼のような症状として現れることがあります。

4.目の健康を守るための対策
熱中症が疑われるときは「目も冷やす」
もし熱中症になってしまった、あるいは体が異常に火照っていると感じたときは、首元や脇の下だけでなく、濡れタオルなどで目の周りも一緒に冷やすことが推奨されています。

日頃からの「紫外線+暑さ」対策
屋外に出る際は、水分補給などの一般的な熱中症対策に加え、UVカット機能のあるサングラスや帽子を着用し、目に入る光の量と熱を物理的に遮断することが大切です。