点鼻型(経鼻)インフルエンザワクチン(フルミスト)と従来の注射型インフルエンザワクチンの比較

点鼻型(経鼻)インフルエンザワクチン(商品名:フルミスト)と従来の注射型インフルエンザワクチンの主な違いおよび効果の比較です。

ワクチンの種類と特徴の比較

比較項目 点鼻ワクチン(フルミスト) 注射ワクチン(従来型)
ワクチンの種類 生ワクチン(弱毒化したウイルス) 不活化ワクチン(病原性をなくした成分)
投与方法 両方の鼻腔内へスプレー噴霧 皮下注射
対象年齢 2歳以上 19歳未満(※日本国内の承認基準) 生後6ヶ月以上(全年齢対象)
接種回数 年1回(12歳未満でも1回で完了) 13歳未満は原則2回、13歳以上は1回
主な作用機序 鼻粘膜で局所免疫(IgA抗体)をつくりウイルスの侵入自体を阻止+全身免疫 血液中に抗体(IgG抗体)をつくり体内で増殖・重症化を防ぐ
痛み・不快感 針を使わないため無痛(鼻へのスプレー感・刺激) 刺入時の痛み・局所の腫れや発赤
主な副反応 接種後3日〜7日頃
鼻水、鼻づまり、咳、軽い発熱など
接種当日の直後から24時間以内
接種部位の腫れ・痛み・発熱など

効果の比較

1. 発症予防効果(結論:ほぼ同等) 厚生労働省や日本小児科学会の見解では、発症を予防する効果について両者で明確な優劣はなく、ほぼ同等とされています。

  • 点鼻(生ワクチン): ウイルスの侵入口である鼻腔・気道粘膜に直接免疫(IgA抗体)を誘導するため、感染そのものを防ぐ「水際対策」の防御効果が期待できます。また、株が少し変異しても広範な免疫が得られやすい特徴があります。

  • 注射(不活化ワクチン): 血液中に抗体を誘導し、体内に侵入したウイルスによる発症や重症化を防ぐ効果が確立されています。

2. 効果の持続期間

  • 点鼻型: 接種後約2〜3週間で効果が現れ、約1年間持続するとされています。

  • 注射型: 接種後約2週間で効果があらわれ、約約5ヶ月間持続します。

点鼻ワクチンのメリット・注意点

メリット

  • 注射針を使わないため痛みがない。

  • 小児でも1回の通院・接種で完了する。

接種できない・注意が必要な方

  • 19歳以上および2歳未満(国内承認対象外)

  • 重度の喘息や喘鳴(ぜんめい)の既往がある方

  • 免疫不全状態の方、または重度の免疫不全者と同居している方(弱毒生ワクチンのため)

  • アスピリンなどを長期服用している方

  • 重度のアレルギー(ゼラチンや卵に対する重篤なアナフィラキシーなど)がある方

どちらのワクチンが適しているかは、お子様の年齢、注射への苦手意識、持病の有無などによって異なります。かかりつけ医と相談のうえ選択することをおすすめします。