布マスクの「漏れ率」

7月6日少し衝撃的な発表が話題になりました。

布マスクは空気中のウイルスをどこまで防げるのか。聖路加国際大学の大西一成准教授(環境疫学)が布マスクと顔面のすきまなどから出入りする空気中の粒子の「漏れ率」を調べたところ、100%だったことがわかった。フィルターの性能試験を通った不織布マスクも、着け方が悪いと100%だったが、正しく着けると約50%まで下がった。「マスクは選び方と着け方が大事」という。

マスクの密着性を調べるための専用装置を使い、空気中に漂う約0・3マイクロメートル以上の粒子数とマスクと顔の間のすきまにある粒子数を、それぞれ測定して比べた。布マスクや不織布マスク、N95などの規格を満たした防じんマスクのほか、政府が全戸に配った「アベノマスク」(ガーゼマスク)については、素材が異なる3種類を調べた。着け方の工夫で漏れ率に差が出る不織布マスクと防じんマスクについては、普通に着けた場合と、正しく鼻にフィットさせるなどすきまを最大限減らす着け方をした場合を比べた。

その結果、布マスクとガーゼマスクは、漏れ率が100%だった。漏れ率が最も低かったのは防じんマスクを正しく着けた場合で、1%。普通の着け方では6%だった。不織布マスクは、正しく着けた場合はフィルター部分の濾過(ろか)性能の試験を通ったタイプだと52%、通っていないタイプだと81%だった。ただ、普通の着け方だと2種類とも100%だった。

 

今回はマスクについてです。

●マスクの分類と種類
防塵規格マスク(呼吸保護具)
N95マスク(米国、NIOSHの認定)
DS1、DS2規格マスク(日本の労働安全衛 生法に基づく国家検定に合格)

家庭用マスク
花粉対策
ウイルス対策、風邪対策、PM2・5対策 

医療用マスク 
サージカルマスク(手術用)
N95マスクなど

●マスクの素材
マスクの素材は大きく分けて2種類あります。
布マスク
ガーゼや綿織物を主体として作られたマスクで、洗濯して使用できます。
ガーゼは1枚のガーゼを12枚、18枚、24枚、30枚に折り重ねてできています。
高い保湿性と保温性がありますが、ウイルスや菌が透過しやすいのが欠点です。

不織布(ふしょくふ)マスク
不織布とは、文字通り織らない布を使用して繊維同士を色々な方向で結合させてシート状にしたものを言います。使い捨てマスクnい使われています。。
不織布シートの特性として、花粉、ウイルスや菌が透過しにくい設計の商品もあります。

●マスクの基本性能
• フィルター部の捕集(ろ過)効率
目的に合った大きさの粒子をろ過する機能 (花粉、風邪・ウイルス対策、PM2・5対策)

• 形状
いかに顔に密着させ、フィルター部以外からの 侵入を防ぐか(隙間を無くすか
平型、プリーツ型、立体型

●フィルター部の性能試験法
花粉粒子の捕集(ろ過) 試験粒子 約30μm 

BFE(Bacterial Filtration Efficiency) (バクテリア飛沫捕集(ろ過)効率試験)
試験粒子 黄色ブドウ球菌の懸濁液(約3μm)

VFE(Virus Filtration Efficiency)
(ウイルス飛沫捕集(ろ過)効率試験) 試験粒子 バクテリアオファージ(約1.7μm)

PFE(Particle Filtration Efficiency) (微粒子捕集(ろ過)効率試験)
試験粒子 ポリスチレン粒子(0.1μm)

●コロナウィルス、インフルエンザ、風邪の感染経路
飛沫感染(飛沫は5~3μm程度) 人の咳やくしゃみ、会話中のしぶきなどの中にウイルスが存在し、しぶきが媒介となって感染

接触感染 他人の使ったマスクやドアノブ、つり革などに触れ感染

• 空気感染(空気中に舞うウイルスを吸いこんで 感染)はほとんど無い

マスクの着用法
・自分の顔に合った形状、サイズのマスクをあらか じめ探しておく

・子供は子供用のサイズを着用

・鼻の両脇やあご、頬のラインに隙間のできないようにする

・つける場所、状況を選ぶ(通勤・通学、買い物)

・マスクの着用は保湿効果も期待でき、のどを守る

●マスクの広告・表示自主基準
(全国マスク工業会・87社)
• 家庭用マスクは、外からの微粒子の侵入を完全 に防止することには限界があることから、「マスクは感染(侵入)を完全に防ぐものではありません」を8ポイント以上の文字で表記

• フィルタ部の品質性能について数値表示をする場合、試験方法または試験機関を表示すること

• 表示されている事項と試験方法は対応すること • 薬事法に抵触する表示を行わないこと

不織布マスクの 性能と使用時の注意(日本衛生材料工業連合会)

アベノマスクを含むガーゼマスクや布マスクは漏れ率が100%だと言う発表は衝撃的ですが、いずれにせよどの種類のマスクでも正しい装着をしないと効果が得られないということです。