インフルエンザ流行状況①

ニュースでインフルエンザの報道が多くなってきましたが、実際の流行状況はどうでしょうか?

 東京都内のインフルエンザ患者報告数が2週連続で増加したことが6日、東京都感染症情報センターが公表した感染症発生動向調査の週報(ウェブ版)で分かった。【新井哉】

週報によると、10月28日から11月3日までの週の1医療機関当たりの患者報告数は、前週と比べて約1.6倍の1.12人となり、再び流行開始の目安(1.0人)を上回った。年齢別では、10歳未満が全体の約6割を占めている。

保健所管内別では、多摩府中が4.3人で最も多く、以下は、荒川区(2.86人)、町田市(2.23人)、北区(2.09人)、世田谷(1.92人)、練馬区(1.86人)、中央区(1.4人)、江戸川(1.37人)、文京(1.14人)などの順だった。

インフルエンザ患者の増加に伴い、教育施設での学級閉鎖の報告が相次いでいる。町田市では10月29日から31日にかけて、小学校1校の2学年で学年閉鎖の措置が取られた。練馬区でも11月6日現在、小学校1校で学級閉鎖となっている。

CBnews

烏山界隈でも、保育園・幼稚園などでインフルエンザ罹患がちらほら見られるようになってきました。
東京都健康安全研究センター発表の東京都インフルエンザ情報によると、

第 44週 (10月 28日 ~11月 3日 )
【東京都】インフルエンザ定点*からの患者 報 告 数 は459人 、定 点 当 たり1.12人 で、43 週 の定 点 当 たり0.68人 から増 加 しました (図 1)。多 摩 府 中 (4.30人 /定 点 )、荒 川 区 (2.86人 /定 点 )、町 田 市 (2.23人 /定 点 )、 北 区 (2.09人 /定 点 )の他 5保 健 所 管 内 で定点当たり患者報告数が1人を超えています(図2)。


インフルエンザ定点とは、419か所 (全国約5,000か所 )の医療機関を「インフルエンザ定 点 」として指定したものです。定点当たり報告数とは、対象となる感染症について、すべての定点医療機関からの報告数を定点数で割った値のことで、言いかえると1医療機関当たりの平均報告数のことです。

注意報・警報の基準値は次の通りです。

先程のニュースでの「インフルエンザ流行開始の目安」は「1医療機関あたりの新規患者数1.0を超えると流行期に入った」ことであって、まださほど流行しているというわけではないのです。流行の注意報である「10人/定点」を超える、かなり流行し始めたことになります。
インフルエンザ流行は、流行期では一気に罹患者が増加するため、流行開始の目安を「1.0人/定点」と低めに設定しているのだと思います。

【全国】患者報告数は4682人、定点当たり 0.95人 で、43週 (3953人 、0.80人 /定点 ) より増加しました。(図1)。沖縄県は、定点 当 たり7.12人 と、先 週 (8.69人 /定点 )より 減 少 しました。鹿児島県 (2.71人 /定 点 )、 福岡県 (2.19人 /定 点 )、他 の12都道 県で定点当たり報告数が1人を超えています。


全国的にも、まだ注意報レベルの都道府県はありません。

インフルエンザ集団発生状況
44週 に、学 級 閉 鎖 等 が21件 (保 育 所 4 件 、幼 稚 園 1件 、小 学 校 15件 、高 等 学 校 1件 )報 告 されました(図 4)。

ウイルス検査情報
【東京都】41~42週に、感染症発生動向 調査による定点医療機関から15件の検体が搬 入 され、6件からAH1pdm09が検 出 さ れました(表 1)。

東京都では、現時点で確認されたインフルエンザウィルスはほとんどA型です。

インフルエンザの本格的な流行期は12月からです。今のうちにワクチン接種を受けて、流行シーズンに備えましょう。