チャーハン症候群

「チャーハン症候群」とは、調理後に室温で長時間放置されたチャーハンやパスタなどを食べたことで引き起こされる「セレウス菌」による食中毒の俗称です。

1. 原因と特徴
原因となるセレウス菌は、土壌や河川など自然界に広く存在しており、お米や麦、豆類、野菜などの農作物に高確率で付着しています。この菌には、他の食中毒菌とは違う厄介な2つの特徴があります。
熱にとても強い(熱をかけても死なない)
セレウス菌は環境が悪くなると「芽胞(がほう)」という非常に硬い殻を作ります。この殻は熱に非常に強く、通常の加熱調理(100℃・30分)では死滅しません。
・常温放置で爆発的に増える
炊き上がったご飯を常温で放置しておくと、温度が下がる過程(特に30℃〜40℃前後)で菌が目を覚まし、一気に増殖します。その際に「セレウリド」という熱に強い毒素を作り出します。この毒素も、後から再加熱したところでまったく分解されません。
つまり、「しっかり火を通したから大丈夫」という油断が通用しないのが、このチャーハン症候群の怖いところです。

チャーハンにセレウス菌が多いのは、原料の米が土壌由来の菌に汚染されやすく、その菌が「熱に強い殻(芽胞)」を作り、さらに調理後のご飯が菌の最も好む温度帯(2030℃台)で放置されやすいからです

2. 主な症状
大きく分けてふたつのタイプがありますが、チャーハン症候群でおなじみなのは主に「嘔吐型」です。

タイプ 主な症状 潜伏期間(食べてから発症まで) 原因になりやすい食品
嘔吐型 激しい吐き気、嘔吐、腹痛 1〜5時間(かなり早い) チャーハン、ピラフ、焼きそば、スパゲティなどの炭水化物
下痢型 水様性の下痢、腹痛(吐き気は稀) 8〜16時間 肉料理、スープ、カレー、野菜など

どちらのタイプも、健康な人であれば多くは軽症で済み、1〜2日(早ければ24時間以内)で自然に回復することがほとんどです。ただし、子どもや高齢者、免疫が落ちている人の場合は重症化するリスクもあります。

3. チャーハン症候群を防ぐには
・大量に作り置きしない
ご飯や麺類は、その日に食べる分だけ調理するのがベストです。
・残ったら「すぐに」小分けして冷蔵・冷凍
「冷めてから冷蔵庫に入れよう」と常温のまま数時間放置するのが一番危険です。残ったご飯は、熱いうちに平らな容器やラップに小分けして(表面積を広げて早く冷えるようにし)、手早く冷蔵庫(5℃以下)か冷凍庫に入れましょう。
・食べる時は「アツアツ」に温める(ただし過信は禁物)
冷蔵したものを食べる時は、中心部までしっかり加熱します。ただし、前述の通り「すでに作られてしまった毒素」は熱で消えないため、「怪しい(常温で一晩置いてしまったなど)」と思ったご飯は、加熱を信じずに思い切って捨てるのが賢明です。

見た目や匂いに変化がない」のもこの菌の特徴なので、酸っぱくなっていなくても油断せず、保存温度と時間に気をつけてください。

小児・成人の病気

前の記事

熱中症New!!