謎の風邪について

今回は福岡をはじめ各地で話題になっている「謎の風邪」についてです。

これは、未知なウイルスが新しく現れたわけではありません。医師や専門家の分析によると、「いくつかのありふれた原因が重なり、通常より長引く風邪症状を引き起こしている現象」のようです。

1.主な症状の特徴
今回の「謎の風邪」には、これまでの一般的な風邪やインフルエンザ、新型コロナなどとは少し違う、次のような特徴があります。

・喉の激しい痛みや、声が出なくなるほどの違和感
・痰(たん)の絡むしつこい咳(せき)や鼻水が、数週間〜1ヶ月以上長引く
・熱が出ない(または微熱程度)
・新型コロナやインフルエンザの検査をしても「陰性」になる

2.「謎の風邪」の正体
医師の会見やサーベイランス(感染症動向調査)のデータから、主に以下の3つの要因が複雑に絡み合っていると考えられています。

①春〜初夏に流行する「おなじみのウイルス」
コロナやインフルエンザ以外の、普段はわざわざ検査をしないウイルスたちが同時流行しています。
・ヒトメタニューモウイルス(hMPV): 3〜6月に流行しやすく、咳や喉の痛みが長引きやすいウイルスの代表格。
・その他: ライノウイルス、アデノウイルス、RSウイルスなど。

②. 気温差による「免疫力の低下」
ゴールデンウィーク明けからの急激な暑さや、朝晩と日中の激しい寒暖差によって自律神経が乱れ、私たちの体の免疫力が落ちています。そのため、普段ならはね返せるような弱いウイルスでも感染しやすく、症状が長引きやすくなっています。

③黄砂・PM2.5・花粉による「喉へのダメージ」
この時期に飛散する黄砂やPM2.5、そしてイネ科などの「初夏の花粉」が鼻や喉の粘膜を刺激しています。ウイルスによる炎症に、これらの環境因子による物理的なダメージが加わることで、咳や喉の痛みが倍増しているという見方です。

3.「ただの風邪」と決めつけないために
基本的には、しっかり睡眠と栄養をとって体を休める「対症療法」が中心になります。
しかし、長引く咳の中にはマイコプラズマ肺炎百日咳、大人の場合は咳喘息(せきぜんそく)などが隠れているケースもあります。

「咳が長く続いている」「体力の消耗が激しい」という場合は、無理をせず受診してください。