水痘(みずぼうそう)の感染者がじわりと増えています

2026年に入ってから、日本国内の各地で水痘(みずぼうそう)の流行が目立っており、自治体によっては「流行注意報」が発令されるケースも相次いでいます。
国立感染症研究所などのデータを見ても、過去5年間の同時期の平均と比べて「かなり多い」または「やや多い」という報告が春先から続いており、例年以上の広がりを見せています。
最近の流行には、以下のような特有の背景や注意点があります。

1. 2回打ってもかかる「ブレイクスルー水痘」
現在の子どもたちは1歳〜3歳の間に計2回のワクチン定期接種を受けているため、大流行しにくく、かかっても軽症で済むことがほとんどです。
しかし、ワクチンを2回接種していても、時間の経過とともに免疫が低下し、水痘にかかってしまう現象(ブレイクスルー水痘)が報告されています。
この場合、典型的な水ぶくれまでいかず「ただの虫刺されかな?」と思うような軽い赤い発疹だけで終わることも多く、気づかないうちに周囲に感染を広げてしまう一因になっています。

2. 大人や妊婦さんへの感染リスク
周囲で流行している場合、特に注意したいのが「まだ水痘にかかったことがない大人」「ワクチンを打っていない人」です。
前述の通り、大人の水痘は脳炎や肺炎などの重症化リスクが高く、妊婦さんが感染するとお腹の赤ちゃんに影響が出る恐れもあります。

3.水痘(みずぼうそう)はどんな病気?
年間を通して発生しますが、主な流行時期は12月〜7月(冬から春・初夏にかけて)です。
特に毎年12月〜1月頃の冬場と、5月〜7月頃の春から初夏にかけて報告数が多くなる傾向があります。

水痘(水ぼうそう)は、「水痘・帯状疱疹ウイルス」に感染することで発症する感染症です。感染力が非常に強く、子どもから大人まで注意が必要です。

主な特徴は以下の通りです。

①主な症状
• 全身の発疹:
赤い小さな斑点から始まり、短期間で水ぶくれ(水疱)になり、7−10日くらいで最終的にはすべての発疹がかさぶた(痂皮)になります。

Screenshot

• 強いかゆみ:
発疹には強いかゆみを伴います。かき壊すと傷跡が残ったり、細菌感染(とびひ)を起こしたりすることがあります。

発熱:
38℃前後の発熱が数日間続くことがあります。
水痘(水ぼうそう)で熱が出る確率は、一般的に約70%といわれています。
裏を返せば、残りの約30%の人は熱が出ない、あるいは微熱程度で済むため、「熱がないから水ぼうそうではない」とは言い切れません。

• 混在する発疹:
新しい発疹と、既にかさぶたになったものが同時に見られるのが大きな特徴です。

②感染経路
非常に感染力が強く、以下の3つの経路で広がります。

空気感染:
ウイルスを含んだ空気を吸い込むことで感染します。
その他空気感染する病気は「麻しん(はしか)」、「結核}があります。
私たちが普段使っている一般的な不織布マスクや布マスクだけでは、空気感染を完全に防ぐことはできません。

• 飛沫感染:
患者の咳やくしゃみに含まれる飛沫を吸い込むことで感染します。

• 接触感染:
水ぶくれや粘膜の排出物に直接触れることで感染します。

③潜伏期間と感染期間
• 潜伏期間:
感染してから10日〜21日(平均で約2週間)ほどで症状が出始めます。

• 感染期間:
発疹が出る1〜2日前から、すべての発疹がかさぶたになるまで周囲への感染力があります。

④予防と治療
基本的には自然に治る病気ですが、近年は有効な予防法や治療薬があります。

 予防(ワクチン):
現在、日本では生後12ヶ月から36ヶ月(1歳〜3歳未満)の間、計2回の定期接種(公費負担)が義務化されています。
これにより、子どもの大流行は大幅に減少しました。

 治療:
発症してすぐ(48時間以内)であれば、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬(アシクロビルなど)の内服が効果的です。

また、かゆみを抑えるために「カチリ」と呼ばれる白い塗り薬(フェノール・亜鉛華リニメント)が処方されることもよくあります。

• 注意点:
治癒後もウイルスは体内に潜伏し続けます。将来的に免疫力が低下した際に、「帯状疱疹」として再発することがあります。

⑤学校・園への登園・登校
学校保健安全法により、「すべての発疹がかさぶたになるまで」は出席停止と定められています。完全に治癒したと医師が判断するまで登園・登校は控える必要があります。

もしご自身やご家族に発疹などの症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。 受診の際は、待合室での感染拡大を防ぐため、事前に電話で「発疹がある」「水ぼうそうの疑いがある」旨を伝え、指示を仰ぐのが最もスムーズです。