夜間頻尿
夜中に何度もトイレに起きてしまうのは、本当に睡眠が細切れになって辛いですよね。
医学的には、夜間に1回以上排尿のために起きなければならない状態を「夜間頻尿」と呼び、特に50歳以上では男女問わず非常に多くの方が悩まされている一般的な症状です。
夜間頻尿の原因は、実は単に「おしっこが近い」というだけでなく、大きく分けて3つのタイプがあります。
1.夜間頻尿の3大原因
| タイプ | 特徴と主な原因 |
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① 夜間多尿型 |
寝ている間に作られるおしっこの量そのものが多すぎるタイプです。 |
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② 膀胱蓄尿障害型 |
膀胱が過敏になっていたり、小さくなったりして、少しの量でトイレに行きたくなるタイプです。 |
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③ 睡眠障害型 |
尿意のせいで起きるのではなく、「眠りが浅くて目が覚めてしまい、せっかく起きたからトイレに行く」というタイプです。 |
2.セルフケア・ライフスタイルの工夫
原因がどれであっても、まずは以下の生活習慣の見直しで症状が和らぐケースが多々あります。
・夕方以降の水分の「質」と「量」を見直す 夕食後から就寝までの水分摂取は「のどの渇きを癒やす程度」に控えてみてください。特に入眠前のビールなどのアルコールや、緑茶・コーヒーなどのカフェインは強い利尿作用があるため、夜間の尿量をダイレクトに増やします。
・日中に軽い運動(夕方の散歩など)をして、足のむくみを取る 夕方にしっかり歩いたり、お風呂でふくらはぎをマッサージしたりして、足の血流を良くしておきます。また、夕方に30分ほど横になって足を少し高く(クッションなどの上に)上げておくと、日中の水分が起きている間に尿として出やすくなり、夜間の多尿を防げます。
・体を温める(温活) 体が冷えると血管が縮み、尿が作られやすくなります。特にお腹や下半身、首元を冷やさないようにし、お風呂はシャワーで済ませず湯船でしっかり温まりましょう。
・骨盤底筋を鍛える(特に女性・過活動膀胱の傾向がある方) 仰向けに寝て膝を立て、お尻の穴や尿道を「お腹の中に引き込むように」5〜10秒ほどギュッと締め、その後緩める、という体操(骨盤底筋体操)を毎日数回繰り返すと、膀胱のコントロール力がつきます。
3.漢方薬という選択肢も
ドラッグストアなどで買える市販の漢方薬も有効なことがあります。
・体力が落ちていて、足腰が冷える・疲れやすい方の夜間頻尿には「八味地黄丸(はちみじおうがん)」や「牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)」。
・残尿感や、ストレス・疲労からくる頻尿には「清心蓮子飲(せいしんれんしいん)」が代表的です。
4.受診をおすすめする目安
夜間頻尿の裏には、前立腺肥大や過活動膀胱といった泌尿器の病気だけでなく、高血圧、糖尿病、心臓の不調、睡眠時無呼吸症候群などの全身の病気が隠れていることがあります。
「生活習慣を変えても毎晩2回以上起きてしまい、日中の眠気や疲労感が強い」という場合は、決して年齢のせいにせず、まずは泌尿器科やかかりつけの内科を受診して相談してみてください。

