高齢者向けの新しい高用量(高濃度)インフルエンザワクチン「エフルエルダ®」
サノフィ株式会社が開発した、高齢者向けの新しい高用量(高濃度)インフルエンザワクチン「エフルエルダ®(一般名:高用量インフルエンザHAワクチン)」。
日本では2024年に承認され、供給スケジュールの調整を経て、まさに今年(2026年)の秋(10月)から本格的な導入・定期接種化が予定されている大注目の新ワクチンです。

これまでの従来型ワクチンとの違いや特徴を分かりやすくまとめました。
1. 最大の特徴:ウイルスの成分(抗原)が「4倍」
高齢になると、年齢とともに免疫の働きが弱くなる「免疫老化(めんえきろうか)」が進むため、従来のインフルエンザワクチンでは十分な抗体(ウイルスと戦う力)が作られにくいという課題がありました。
エフルエルダは、この免疫老化に対抗するため、1株あたりの抗原量を従来の15μgから「4倍の60μg」に増やして濃く作られています。 量が増えた分、高齢者の方でもしっかりと強い免疫を誘導できるよう設計されています。
2. 期待される効果:高い重症化・入院予防
すでに海外(アメリカなど)では10年以上前から広く使われており、豊富なデータがあります。
高い予防効果: 従来の標準量ワクチンと比較して、インフルエンザの発症をさらに約24%抑えるというデータが出ています。
入院・重篤化の減少: インフルエンザに伴う肺炎や、高齢者に多い心肺疾患による二次的な入院リスクを大きく減らすことが証明されています。
3. 対象年齢と接種方法
対象: 60歳以上(若年層にはこれほど高用量である必要がないため、高齢者に限定されています)
接種方法: 通常のワクチン(皮下注射)とは異なり、肩の筋肉にしっかり届ける「筋肉内接種(筋肉注射)」で行います。
4. 2026年秋(今年)からの国の動き
厚生労働省の審議会において、2026年10月1日より「75歳以上」を対象として定期接種化(公費助成の対象)する方針が了承されています。自治体によって自己負担額や詳細な年齢ルールが異なる場合がありますが、これまでの標準的なワクチンに加え、高齢者の命を守るための新たな選択肢として本格的にスタートします。
5. 注意すべきポイント(副反応など)
成分が4倍と濃くなっているため、注射した部分の「赤み」「腫れ」「痛み」といった局所的な副反応は、従来のワクチンよりも少し高頻度に出やすい傾向があります。ただし、これらは一時的なもので、数日以内に自然に治まるものがほとんどであり、安全性の面での深刻な懸念は報告されていません。


