こどもの夏かぜ
こどもの夏かぜとは、プール熱(咽頭結膜熱)、ヘルパンギーナ、手足口病といった、梅雨から夏にかけてお子様がかかりやすい病気の総称です。
この3つの夏風邪は、夏の三大感染症と言われています。
●プール熱(咽頭結膜熱)
咽頭結膜熱は、アデノウィルスの感染症です。プールでの感染が多いため“プール熱”とも呼ばれます。汚染されたプールの水が結膜に入ったり、タオルを共用するなどして感染します。
感染しやすい年齢は3−6歳です。
流行時期は7~9月ですが、近年は夏以外の季節でもかかってしまうことがあります。
原因ウイルスは、主にアデノウイルスと呼ばれるウイルスです。このウイルスはいろいろな型に分類され、多くはアデノウイルス3型で引き起こされますが、アデノウイルス1・4・7・14型でもみられます
<症状>
潜伏期間は5−7日間です。
高熱(39℃以上)、喉の痛み・強い赤み・腫れが見られます。また、目の症状も強く現れます。真っ赤に充血して、痛みを感じたり、眩しさに過敏になったりします。通常、片方の目から症状が始まり、その後もう片方の目にも発症します。
これらの症状が、3~5日ほど続きます。
<治療・予防>
発熱、喉の痛み・赤み・腫れに対する対症療法が主となります。目の症状が強く現れている場合には、その治療も必要です。
予防としては、プールの前後のシャワー・洗眼の徹底、タオルを共用しないこと、小まめな手洗い・うがいが重要になります。
<出席停止期間>
症状が消え、2日が経過するまでは登園・登校できません。
●ヘルパンギーナ
エンテロウイルス属コクサッキーウイルス等の感染で喉の水疱、発熱が代表的な症状です。
<症状>
潜伏期間は2−4日です。
急な発熱、口の中の天井の奥側の赤い水疱が主な症状です。水疱が破れると、唾液や食べ物を飲み込めないほど強い痛みを感じるようになります。
発熱は2−3日続きます。
<治療・予防>
症状を和らげる対症療法が基本となります。発熱と喉の痛みから食欲も低下しますが、水分は積極的に摂取して脱水症状にならないように注意しましょう。
予防法としては、感染者と接触しないこと、小まめな手洗いなどが重要になります。
<出席停止期間>
症状がなくなっても、長期間にわたってウイルスが体内に残ることがあります。お子様の状態、医師との相談の上で登園・登校を再開します。
●手足口病
エンテロウイルス属コクサッキーウイルス等の感染で、その名の通り、手、足、口、そして臀部に発疹・水疱ができる病気です。
感染しやすいのは4歳くらいまでですが、まれに小学生や大人にうつることがあります。
<症状>
潜伏期間は3−5日です。
手のひら、足の裏、口の中、臀部に小さな発疹・水疱ができます手の甲、足の甲にできることもあります。
発熱、下痢などが合併することもあります。
特に口の中の水疱は、潰れてしまうとしみるようになり、食事が難しくなります。
<治療・予防>
自然に治癒することがほとんどです。その間、水分を小まめにとって脱水症状を防ぎましょう。
予防法としては、感染者と接触しないこと、小まめな手洗いなど重要になります。
<出席停止期間>
手足の発疹が残っていても、発熱など他の症状が治まっているようでしたら、登園・登校は可能です。お子様の状態、医師との相談の上で登園・登校を再開します