インフルエンザワクチン接種を再開しました

インフルエンザワクチン接種を12月6日(木)から再開します。
ワクチンメーカーからの本格的な供給復旧はまだですが、少数の供給と在庫分で対応します。
13歳未満の小児は2回接種が必要で、本格的な供給再開を待っていると接種時期を逃してしまいます。
このため、暫定的に接種を再開します。
対象年齢は、生後6か月から65歳以上の高齢者まで全ての年齢層です。
チメロサールフリー・ワクチンも少数ながら在庫があります。希望者はその旨受付で申し込んでください。
本格的な供給再開ではありませんので、ワクチンがなくなり次第接種を中止する可能性があります。
このような状況のため、1回目を当院で接種された方でも2回目のワクチンの取り置きはできません。
悪しからずご了承ください。

インフルエンザワクチン供給について、11月下旬に次のような報道がありました。

インフルワクチン需給、一時的に逼迫…厚労省が安定供給要請

全国でインフルエンザワクチンの需給が一時的に 逼迫ひっぱく しているとして、厚生労働省は、製造会社と卸売業者に対し、ワクチンの在庫管理と流通を改善し、医療機関への安定供給に努めるよう、協力を要請した。
 厚労省によると、今冬のインフルエンザワクチンの生産量は約2720万本。例年の需要量より約100万本多く、全体でワクチンが不足することはない。

 ただ、ワクチンの需要は11月下旬から12月上旬にピークを迎えるため、現在、一時的に供給が行き渡りにくい状況だという。厚労省予防接種室は「12月第2週頃には、供給が増えて、問題は解消する見通しだ」と説明している。

この報道をみると、「総生産量は十分だけどけど、需要のピーク時には一時的に不足するかも」といっています。
これはどういうことでしょうか。

厚生労働省が公表している「2018/19シーズンの インフルエンザワクチンの供給について」という資料をもとにご説明します。
まず、今年度のワクチン供給量についてです。
例年では9月下旬にワクチンが各医療機関に供給されますが、H29年とH30年は10月に入ってからの供給でした。 さらに、このグラフからわかるように、H29年とH30年は需要が最も増える10月下旬から12月上旬の供給がH28年と比較して500万本前後少なくなっています。これが現時点でのワクチン不足の要因です。つまり、8月の段階で今の時期のワクチン不足はわかっていたのです。

それに対して、次のグラフで言い訳しています。H30年の需要に対して十分な製造をみこしているというのです。

 

さらに言い訳です。今年のワクチン供給量見込みは過去5年間の使用量を上回っているというのです。
しかし、これは最終出荷を含む総供給量であって、それぞれの時期に応じた供給ではないということです。12月中旬以降に大量出荷して総供給量を増やしても、すでに接種タイミングを逃しているからです。

そして、最後に次のようにまとめています。