熱中症

気温の高い環境にいることで体温を調節する機能が狂ったり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたりすることで起こる、めまいや頭痛、けいれん、意識障害などの症状をまとめて「熱中症」といいます。
●熱中症のメカニズム
私たちの体の中ではいつも熱が産生されています。体温が上がりすぎるのを防ぐために、自律神経の働きで手足の皮膚の下の血管が拡張して皮膚の血流を増やすことで熱を体の外に放出します。同時に汗をかきその汗が蒸発するときに体の表面から熱を奪います。このようにして体温を36−37度に調整しているのです。
ところが、暑い環境の中に長くいたり、激しい運動や労働をすると、体温調節機構がうまく働かなくなり熱を体外に放出できなくなります。また、大量の汗をかくと体内の水分と塩分が失われて体液のバランスを崩します。これが、脳、神経、筋肉などに様々な影響を及ぼし、けいれんやめまい、失神、頭痛、吐き気といった熱中症の症状があらわれるのです。
特に高齢者や乳幼児は、体温調節機構がうまく働かないため熱中症のリスクが高いです。また、子どもは身長が低いため地面に近くアスファルトなどの照り返しが強いため注意が必要です。
●熱中症の症状
熱中症の症状は、軽いものから重症まで3段階に分類されます。

●熱中症の対処法
めまいや立ちくらみ、筋肉痛など熱中症を疑う症状が見られたら、まず風通しのよい涼しい木陰やエアコンの効いた室内に移動します。衣類の襟元をゆるめたり、脱いだりして、うちわや扇風機で風をあてたり、氷や氷嚢でからだを冷やしてもいいでしょう。冷やす場合は、首筋やわきの下、足の付け根、足首など動脈が通っている部分を冷やすのが効果的です。
熱中症では水分とともに 塩分 など電解質の喪失があるので、水分の補給に加えて適切な電解質の補給が重要です。経口補水液 オーエスワン®(OS-1)が最も適しています。スポーツドリンクは、塩分低め、糖分高めとなっているため、飲み過ぎに注意が必要です。推奨されている飲水量は、高齢者を含む学童から成人が 500 ~ 1,000mL /日、幼児が 300 ~ 600mL /日、乳児が 体重 1kg 当たり 30 ~ 50mL /日といわれています。水分だけの摂取は、体液の保持にならないため塩分を同時に摂取しましょう。
激しい頭痛や吐き気、40度近い高熱など症状が重い場合は直ちに受診しましょう。

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