アデノウィルス感染と出席停止

●アデノウィルスとは
かぜ症候群の原因となるウィルスの一つです。他には、ライノウイルス、RSウイルス、エンテロウイルス、コクサッキーウイルス、エコーウイルスなど数多くのウィルスがかぜ症候群を引き起こします。
この中で、アデノウィルスは比較的症状が重く、多様な症状をきたします。
アデノウィルスは血清型で分類され、51種類あることが知られています。(2008年まで、それ以降分類がかわりました。)
●アデノウィルスの症状
いわゆるかぜの他に、「プール熱」や「はやり目」と呼ばれる病気の原因なります。
「プール熱」は咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)、「はやり目」は流行性角結膜炎(かくけつまくえん)というのが正式の病名です。他に、肺炎、胃腸炎、膀胱炎、発疹などの様々な症状を引き起こします。
●プール熱(咽頭結膜熱)
夏にプールでうつることが多いのでプール熱と呼ばれています。
咳やくしゃみ、接触、便など色々な様式で、アデノウイルスは口、鼻、咽、目の粘膜などから侵入し全身に広がります。
潜伏期間は5〜7日で、症状が出る2日前から他の人へうつす可能性があります。38−39度の高熱がでて、扁桃腺が腫れ、のどが痛くなります。目が真っ赤に充血し、痛みやまぶしさを伴ったり、目やにががでます。さらに、頭痛、腹痛、下痢、首などののリンパ腺が腫れることがあります。
症状があらわれた直後から数日の間に、特に多くウイルスを排出するため、強い感染力があります。
血清型で3型と4型のアデノウイルスが主な原因です。
●はやり目(流行性角結膜炎)
白目(結膜)が真っ赤になり目やにや涙が出ます。潜伏期間は2~14日です。
アデノウイルスのついた指や手で目をこすることによっておこります。
血清型で8型、19型、37型のアデノウイルスが主な原因です。
咽頭結膜熱と同様、症状があらわれたあとから数日間が特にウイルスを多く排出します。
●出席停止期間
咽頭結膜熱と流行性角結膜炎にかかったら、学校に登校することはできません。その期間は、以下のように定められています。
・咽頭結膜熱:発熱、咽頭炎、結膜炎などの症状が治まったあと2日を経過する(治まったあと3日後)まで。目安としては、解熱してから2日間は休む必要があります。
・流行性角結膜炎:医師が感染の恐れがないと認めるまで。
●登校許可証
アデノウイルスにより咽頭結膜熱や流行性角結膜炎を発症して、出席停止期間が終わったあとは、学校や保育園、幼稚園などから登校許可証の提出を求められることがあります。
登校許可証は法律で定められているものではなく、学校などによってルールが異なります。
登校許可証の提出が必要ないこともあれば、医師のサインが必要な場合や、保護者の自筆で構わない場合もあるので、通っている学校に確認してください。

 

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