新型コロナウィルス抗体検査について
新型コロナウィルスの検査は現在3通りあります。
①PCR検査
鼻咽頭や唾液で行う検査です。新型コロナウイルスに特異的な RNA 遺伝子配列を RT-PCR 法等により増幅し、これを検出する検査法です。感度が高いことが本法の特徴ですが、一般的な短所として、 検査時間が長い(1-5 時間)、専用の機器および熟練した人材が必要、高コストなどがあげられます。
②抗原検査法
5月13日に新型コロナウイルス特異蛋白を迅速に検出する方法が承認されました。イムノクロマトグラフィー法を用いた検査で、検体採取から約 30 分で結果の判定が可能です。普及にはもう少し時間がかかるようですが、6 月 には 1 日 2 万検体用のキットが供給される方向で進んでいます。RT-PCR 検査との比較では、行政検査検体を用 いた時の陽性一致率が 66.7%、陰性一致率が 100%であるとされています。PCR 検査に比べて、感度が低いこと に注意しなければなりません。本法において陽性が得られた場合には確定診断としての意義が高いが、陰性であ ったとしても完全には本症を否定できないということになります。
③抗体検査法
血液の中の特異抗体を検出する方法です。通常、特異抗体の産生には感染後2-3週間が必要です。新型コロナウイルス感染症の場合には感染から発症まで、発症から受診までで 2 週間ほど経過している症例もあり、このような場合、患者血液の抗体の検出が診断に役立つものと考えられています。現時点では実験用試薬扱いで、確定診断はできません。
当院で今月から開始した抗体検査法は、カナダ Artron Laboratories Inc. 製の新型コロナウイルス抗体検出キット「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗体(Artron)」です。
メーカー公表データでは、感度93.4%、特異度97.7%となっています。
指先から少量の血液を採取し、15分間で判定します。
検査キットは時期によって別のキットになることがあります。
この抗体検査は次のような方にお薦めです。
・特に風邪などの症状はなかったのだが、過去に新型コロナウィルスに感染したか心配な方
・2-3週間より前に風邪症状があり現在は症状はなくなっているが、それが新型コロナウィルス感染だったか心配な方 など
なお、あくまで参考となりますが、必要であれば検査結果証明書を発行しますので申し出てください。
検査費用は自費で税込み8000円→6600円(検査結果証明書を含む)となります。
ご予約はいりませんので、通常の診察時間にご来院ください。